愚行錯誤その2(谷口吉郎と谷口吉生の作を訪問)
谷口吉郎と谷口吉生の作を訪問

さて、お世話になった漆芸家の方の日本新工芸四国展を拝見しに坂出市に出向きましたついでに、「世界的」建築家として「著名な」谷口吉生さんの手がけた東山魁夷せとうち美術館と、谷口吉生さんの父、谷口吉郎さんが手がけた、文学碑を詣でに沙弥島エリアに立ち寄りました。東山魁夷せとうち美術館はカフェも景観がよくおすすめスポットでもあります。こちらでかまどが出しているお菓子「あまも」もおすすめ。


谷口吉生さんの建築物はわかりやすいのですが、父親の谷口吉郎さんが手がけた文学碑は、意外に知られていないかもしれません。坂出市出身の中河与一の小説『恋愛無限』の文学碑なのですが、設計が谷口吉郎、陶板が藤原啓、そして施工がイサムノグチや丹下健三、前川国男、流正行ともゆかりのある岡田石材という、スリーカードならぬフルハウス級の組み合わせです。美術館から徒歩5分圏内なのですが、建築好きの方は是非。




文学碑にはこうあります。「愛恋無限の碑 恋無限は箱和十年十二月十日より翌年四月二十日までの間朝日新聞に連載せられた中河与一の小説である。最後の場面を多島海の中の砂弥島にとりギリシャの女流詩人ピリチヌの詩編によってその末尾を結んでゐる。今埋立工事によって砂弥島は坂出の陸続きになった。それはあたかも小説の結末の如く連理の美しさを陸地の合體によって象徴してゐるかの如くである。今谷口吉郎の設計によってギリシャ式神殿の意匠に万葉の花を配し此處に愛恋無限の碑を建てる。人はこの地に立って愛の永遠と尊厳とを蘇生せしめなければならぬ。」
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